仮想通貨の流行などにより、最近よく耳にするようになったブロックチェーンという言葉ですが、そもそもどんな技術でどんなことに使えるのでしょうか?本記事ではこのブロックチェーンの仕組みや機能などについて説明し、ビジネスなどの場面でどう応用できるか事例を交えて解説していこうと思います!
ブロックチェーンとは
結論ブロックチェーンはネットワーク技術の一種で、その仕組みや概念の総称を言います。これまでのインターネットは、中央に管理者がおり、それを仲介してデータのやり取りを行います。このようなインターネットの仕組みをWeb3.0と言ったりします。
Web3.0については以下の記事をご覧ください👇
例えば、あなたが新たにダウンロードしたSNSアプリにアカウント情報を登録したとします。そのデータはSNSアプリを運用している組織のサーバー(インターネット上にあるコンピュータ)に送られそこで管理されます。これを中央集権型ネットワークと言います。これは悪意のあるハッカーなどからすると攻撃対象が明確なことや、そのサーバーに不具合が起きた際に大規模にシステムエラーが広まってしまう問題があります。
しかしブロックチェーンはこのような中央管理者を必要とせず、ユーザー同士でデータをやり取りすることを可能にします。これを分散型ネットワークと言います。これにより、悪意のある攻撃やデータの改ざん対象が分散され、データの安全性を保つことができます。
これにより以下のようなメリットが生まれます。
- セキュリティ向上
- システムダウンへの耐性
- 中央管理者が必要なくなる
ブロックチェーンの歴史
ではこのブロックチェーンはそもそも誰が何のために作ったものなのでしょうか?その歴史についてここでは解説していきます。
まず、ブロックチェーンができたのは2008年のことです。作ったのはサトシ・ナカモトと呼ばれる人物で、実はその正体(国籍や年齢、そもそも偽名なのかどうかもすべて)は不明です。この方が書いた論文では、電子マネーにおいて金融機関のような中央管理者を介さない通貨のやりとりを実現させる方法としてブロックチェーン技術が提唱され、それが今日の仮想通貨に使われているわけです。
https://www.kk-kernel.co.jp/qgis/HALTAK/FEBupload/nakamotosatoshi-paper.pdf
日本語で読むビットコイン原論文
ブロックチェーンの仕組み
それでは、ブロックチェーンはいったいどのような仕組みの技術なのでしょうか?
ブロックチェーンは、データを一つの箱(ブロック)で管理し、それを数珠つなぎにつなげていくことでネットワークを構築します。ブロックの内部要素の例として下の図のようなものがあります。まず、ブロックにはナンスと呼ばれるデータがあり、それをもとにハッシュ値という特殊なデータを出力します。そして隣り合った次のブロックは一つ前のブロックのハッシュ値のデータを持っているため、ブロックの前後で整合性を持っています。
ここで、仮に悪意のある攻撃によってデータの破損や改ざんが行われると、前後のハッシュ値の整合が取れなくなるため攻撃にすぐさまシステムが気づきます。このネットワークの仕組みによってブロックチェーンのデータの安全性が保たれるわけです。
これにより中央集権的なネットワークと違い、攻撃対象が分散されます。
また、新たなブロックを生成してそれを数珠つなぎにしていくわけですが、特定の条件をクリアし、ブロックを生成した人には高額な仮想通貨が報酬として自動で支払われるマイニングという仕組みがあるため、そもそも攻撃するよりブロックチェーンを守ることのほうが合理的となるわけです。
ブロックチェーンの用途事例
それでは、ブロックチェーンはいったいどのような場面で活用されるのでしょうか?
ブロックチェーンを活用すると以下のようなことが可能になります。
- 安全なデータ管理
- データのトレーサビリティ
- デジタルデータに唯一性を生み出す
安全なデータ管理
先ほども説明した通り、ブロックチェーンを利用することで企業の情報などをより安全に保つことが可能になります。活用事例として自動運転車のセキュリティ保護が挙げられます。自動車メーカーのデンソーは自動運転化が進むにつれ、車の情報がネットワークで管理される際に、ブロックチェーンを活用することでセキュリティ保護の向上を行いました。
データのトレーサビリティ
ブロックチェーンには特定のデータを追跡し、常時そのデータの位置や履歴情報を取得する機能があります。これにより、食品の移動管理やデジタルデータの所有者の確認などが容易に可能になります。
デジタルデータに唯一性を生み出す
デジタルデータをブロックチェーンで管理することで誰が作ったデータか、誰から誰の手に渡ったデータかといったことを保存することができるので、あるデジタルデータに対して唯一性を生み出すことが来ます。これは代替できないデータということでNFT(非代替性トークン、non-fungible token)と呼ばれたりします。
これによりデジタルアートやデジタル音楽などを偽造が生まれないように売買することが可能になったり、資格や証明書、著作物をデジタル上で作成することができるようになります。
まとめ
今回は現在注目されているネットワーク技術であるブロックチェーンについて紹介しました。今後あらゆる場面や用途で広まっていくことでしょう。読者のみなさまもぜひビジネスに活用してみたり、最新の動向を調べてみてはいかがでしょうか?
ここまで読んでいただきありがとうございました!
投稿者プロフィール
- 本ブログではAIやブロックチェーンといったITに関する情報やそれらをビジネスに活用する方法などについて投稿していきます!会社のほうでは受託開発やコンサルティングを行ってますのでぜひよろしくお願いします!
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